【完全ガイド】独学で始める二級建築士・法規の勉強方法
独学で二級建築士試験に合格したラーベンです。
建築法規は4分野の中でも苦手意識を持っている方が多いのではないでしょうか。
しかし建築法規は、試験会場に法令集を持ち込めるので、ポイントさえ覚えれば点が取りやすい学科です。
この記事では、【建築法規】の具体的な勉強方法を紹介しています。
二級建築士・法規の勉強で使った参考書/法令集
二級建築士の法規の勉強に使った本は、全部で3冊のみです。
①「建築基準関連法令集」
いろんなブログで紹介されているTACの法令集を購入しました。
中が2冊に分かれているので、使い勝手が良いです。しかし…、試験会場(ぱっと見で数百人の受験者)でTACの法令集を使っている人は、ほとんどいませんでした。笑
正直、浮きたくないと言う人は、こちらがおすすめ。
8割以上が緑の法令集を使ってました。
建築法規を勉強するにあたって、使った問題集は1冊です。
「ポイント整理と確認問題」
法令集は、いきなり読んでも理解ができないので、内容を理解するために問題集は必須です。
もう一冊、使用したのが過去問です。
「過去問題集 チャレンジ7」
法規は、過去問をどれだけ解くかが、運命の分かれ目です。
選択肢を暗記して、法令集を見なくても答えを絞り込めるところまでやり込む必要があります。
過去問は、7年分を3周しました。
二級建築士・法規で狙う点数
二級建築士の試験では、各学科13点以上かつ合計60点以上で合格できます。
つまり、どの学科も15点以上取れば合格できます。
しかし、15点だと正直、不安が残ります。
受験後、自己採点することになりますが、ギリギリだと、製図試験に支障をきたします。
60点以上を確実にするため、建築法規では18点は取りたいですね。
二級建築士・法規の勉強スケジュール
二級建築士・学科試験までの大まかなスケジュールです。
1月 | ・書籍購入 ・ペン購入 ・勉強方法/スケジュール確立 ・法令集への線引き |
2月 | ・法令集への線引き完了 ・法令集へインデックスつけ ・法規の内容理解開始 |
3月 | ・問題集1周目終了 ・土日 過去問1回目 |
4月 | ・問題集2周目終了 ・土日 過去問2回目 |
5月 | ・問題集3周目終了 ・土日 過去問3回目 |
6月 | ・過去問 7年分× 3周 |
7月 | ・最終調整 ・学科試験 |
【超具体的】二級建築士・法規の勉強方法
二級建築士・法規の勉強の流れ
- 法令集の線引きを完了させる
- 問題集と法令集を比べ、内容を理解する
- 法令集に追加事項を書き込む
- 問題集と法令集を結びつける
1. 二級建築士・法規の線引きを完了させる
兎にも角にも、早く終わらせたいのが法令集への線引き+インデックスつけです。
法令集は、規定内で、線引きや書き込みが許されています。
線が引かれていないと勉強が始まらないので、できれば1月中に終わらせるのが理想です。
TAC出版書籍公式サイトにて「線引き集」が見られます。
法令集を購入し、ペンの種類・線を引く箇所・インデックスの付け方まで、事細かに支持された「線引き集」を見ながら、線を引いていきます。
二級建築士試験は、試験当日に法令集の不正書き込みがないかチェックされます。TAC公式で紹介されているので、ルールを守っている限り、試験で引っかかることはないでしょう。
2. 二級建築士・法規の内容を理解する
線引きされた法令集は、新品の法令集よりも、かなり見やすくなっているはずです。
次に、問題集と法令集を照らし合わせて、内容を理解していきます。
敷地境界線を例に見てみましょう。
建築基準法:第3章 第1節 第42条 2 [道路の定義]
“当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満で崖地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該崖地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。”
この、わかりにくい文章が、問題集で図解されています。
図にすると、とてもわかりやすいですよね。
敷地の反対側に川などがあるときは、道路境界線が敷地側にずれると規定されています。
このように、過去問を解く前に、問題集を使って法令の内容を理解する事をおすすめします。
3. 二級建築士・法令集に追加事項を記入していく
法令を理解した後は、法令集に自分なりの書き込みをしていきます。
法令集のやっかいな所は、情報が散らばっている所です。
1つの法令に対して、別のページに「例外」や「特例」が載っているので、自分で情報もれに気づく必要があるのです。
必ず、建築技術教育普及センターの「使用がみとめられる法令集について」を熟読の上、書き込みを行いましょう。
基本的には、ページ番号・関連条文・アンダーライン・二重線・◯△×しか書き込めませんが、これらの記号を駆使して「情報漏れ」がないようにしていきます。
4. 二級建築士・法規の問題を解けるようになる
建築法規の最終段階です。
過去問を勉強していきます。
初めて過去問を解く時はちんぷんかんぷんですよね。私も最初、何がわからないのかがわからず、途方にくれました。
まず過去問を解く段階で、法令集の線引きとインデックスつけは終わらせておきましょう。
最終的に、5択→2択までは法令集を見なくても絞れるうように、選択肢を暗記して下さい。(何回も解くとわかってきます)
計算問題は、計算方法を暗記しましょう。
最後に、確認のため法令集を開き、インデックスを頼りに関連法規を読みます。
自分の書き込みを頼りに、例外や特例まで目を通し、答えを確定させましょう。
法令自体を暗記する必要はありませんが、問題を見た時に、どのように解くか、どのページを見れば良いかがわかれば、スピードアップに繋がります。
二級建築士・法規の勉強方法:全体を把握する
建築法規の25問が、どのような構成になっているのか見てみましょう。
年によって多少のズレがあります。
Q1:用語の定義 | Q14:用途地域 |
Q2:確認申請 | Q15:建ぺい率 |
Q3:建築手続 | Q16:容積率 |
Q4:木造建築_構造 | Q17:高さ制限 |
Q5:一般構造 | Q18:日影制限 |
Q6:構造計算 | Q19:防火地域 |
Q7:構造計算 | Q20:雑則 |
Q8:構造強度 | Q21:建築士法 |
Q9:防火・耐火 | Q22:建築士法 |
Q10:避難 | Q23:バリアフリー法 |
Q11:内装制限 | Q24:耐震改修促進法 |
Q12:敷地と道路 | Q25:住宅品質確保法 |
Q13:用途地域 |
どの項目が得意で、どこが苦手なのか。
現在地を確かめるのに使ってください。
二級建築士・法規の勉強方法まとめ
余談:二級建築士 建築法規を独学で勉強し、実際にとった点
建築法規を実際に受験してみた余談です。
勉強方法とは関係ありませんので、時間がない方は読み飛ばしてください。
法規は23/25点獲得していました。(自分の獲得点数は公開されないので、自己採点です。)
令和4年の法規は、例年に比べると易しかったようですね。
3月、初めて模擬テストをしてみた際には、5点しか取れなかったので、頑張った方だと思います。
そこで、それぞれ間違った原因を分析してみました。
二級建築士 建築法規で間違ったところ:明記なしで勘違い
どの問題でも言えることですが、選択肢と法令が、一語一句同じ言葉であれば分かりやすいのに…ということ。笑
残念ながら試験は易しくつくられていないので、間違いが生じます。
言葉尻が違っていても、間違いに気づける精密さが必要だったと思いました。
「誤っているものはどれか」「〇〇は適用しない」「〇〇の場合は△△を適用する」
こんな文を読んでいるうちに、試験中にゲシュタルト崩壊を起こしてしまいました。笑
二級建築士 建築法規で間違ったところ:線引きしてない=問題に出ない
先述したように、法令集には線引きをしています。
独学の難しいところですが、頼れる人がいないので、線引きが先生のような存在になってしまうんですよね。
線引きをしていない=重要ではない箇所
と思い込んでしまい、線引きをしていない箇所を、きちんと読んでいませんでした。
結果、線引きをしていない法令を見つけられず、誤った選択肢を選んでしまいました。
この記事では、建築法規の勉強方法についてまとめました。
二級建築士の建築法規について、イメージは湧きましたか?
一番の勉強方法は、やはり過去問を何度も解いてみることだと思います。
過去問を解くと、自然と、どこに何が書いてあるのかがわかってきます。
7月の学科試験に向けて、頑張って行きましょうね。
それでは。