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二級建築士・学科試験まで基本の勉強方法
この記事では、二級建築士を独学で勉強する方法についてまとめています。
2級建築士は独学でも合格が狙える資格です。
実際に私は資格学校に通うことなく、学科・製図とも独学で合格できました。難しい試験ではありませんが、時間がかかる試験ですので、独学で合格するためには、数ヶ月前から計画することが大切です。
二級建築士試験に、独学で合格するための勉強方法をご紹介します。
まずは、二級建築士の全体像を把握しましょう。
- 学科試験:毎年7月の第一日曜日に行われます。
当日は2科目3時間ずつ、計4科目6時間の試験になっています。 - 問題の形式:1科目25問の4科目合計100問です。5択のマークシート方式です。
- 科目:「建築計画」「建築法規」「建築構造」「建築施工」の4科目。
基準点は、各科目13点以上、かつ、総得点60点以上で合格となります。
つまり、各科目の平均15点は取れば合格できるということですね。
学科試験は、毎年40%前後の合格率を打ち出しており、決して独学で突破できない試験ではありません。むしろ、難易度でいうと、建築学科を卒業してるみなさんにとっては、それほど難しくはないでしょう。
二級建築士 学科試験の勉強方法:テキスト編
二級建築士の学科試験で合格するため、まず買うべき本はこの3冊です!
①総合資格学院:ポイント整理と確認問題
②日建学院:過去問チャレンジ7
③TAC:法規集
半年間の勉強で主に使った本は上記の3冊のみ。特に総合資格学院の「ポイント整理と確認問題」は、隅々まで暗記するつもりで勉強すれば、半年間1冊でも十分でしょう。
適宜、自分の弱点と感じる部分は追加で専門書を購入することをおすすめしますが、基本は教科書を増やしすぎないことです。
二級建築士・学科試験の勉強方法:スケジュールの立て方
学科試験までの半年間をまとめた画像です。
1月中に、すべての勉強道具を揃え、スケジュールを立てておきましょう。毎日休まず勉強するのは、結構辛いので、早めに勉強を始めることをお勧めします。
2月→5月中旬までは、「①総合資格学院:ポイント整理と確認問題」を使い、要点を暗記していきます。約半年間で、3周しますが、1周終わるごとに1度、模擬試験をやってみましょう。
5月下旬〜7月の試験までは、過去問を解きます。「②日建学院:過去問チャレンジ7」は、7年分の過去問が勉強できますので、1日1年分の過去問をやっていきます。結果として、7年分×3周で21回分の過去問を解きました。
二級建築士・学科試験の勉強方法
半年間、どのようなスケジュールで進むか、イメージはつかめましたか?
それでは、いよいよ具体的な勉強方法をご紹介します。先で説明した問題集と過去問をご準備の上、読み進めて下さいね。
二級建築士 学科試験の勉強方法:ポイント整理と確認問題
まずは「ポイント整理と確認問題」を1月~ 5月までの約半年間で3周します。
この参考書をおすすめするポイントは、分野ごとに勉強ができる所です。
例えば、建築計画は、【気候】【音】【建築史】・・・など21項目から成り立っています。
1項目は見開き1ページで、次ページに10問程度、丸ばつ問題がついています。まずは説明部分を、ノートに書き出して、数字や特徴を暗記しましょう。次に確認のために丸ばつ問題を解きます。
理解できなくても、1度で全て暗記する(つもりで)。1日3項目、1ヶ月半かけて1周。
1周目が終わったら、1度過去問。休日を1日使って模擬試験をやってみる。
過去問を意識して、より細部まで暗記。1日3項目、1ヶ月半かける。
2周目が終わったら、2度目の過去問。休日を1日使って模擬試験をやってみる。
基本は1日3項目、暗記した項目は飛ばしても良い。苦手分野を重点的に。1ヶ月かける。
3周目が終わったら、3度目の模擬試験。この辺りで合格点を意識する。
問題集は内容を理解するために使って下さい。図解されているので、過去問をひたすら解くよりも、印象に残りやすいです。
二級建築士 学科試験の勉強方法:過去問「チャレンジ7」
過去問は、6月までは月に1,2回しか使いませんでした。
3月の休日1日を使う。実際の試験日程と同じように、時間を測りながら、1回分の過去問を解く。
この段階では解けなくても問題ありません。形式を知ることを目標に。
丸つけ→テスト直しを念入りに行う。
4月の休日1日を使う。実際の試験日程と同じように、時間を測りながら、1回分の過去問を解く。
弱点を知り、今後重点的に勉強する内容を決める。
丸つけ→テスト直しを念入りに行う。
アプリを使って、間違った問題の過去問を何回も解く。
5月の休日1日を使う。実際の試験日程と同じように、時間を測りながら、1回分の過去問を解く。
各科目15点以上の合格点を目指す。
アプリを使って、間違った問題の過去問を何回も解く。
6月に入ってからは、毎日過去問を解きます。7年分の過去問を3周することを目標に。
大切なのは、丸つけ→テスト直しです。間違った問題の解説をよく読んで、なぜ間違ったのか分析して下さい。私はテスト直しの後、後述するアプリで、苦手な項目の過去問を何度も勉強しました。
1科目25問で構成されていますが、毎年、出題分野は大体決まっています。全く新しい問題は、全体の2割以下と考えても良いでしょう。つまり、過去問を暗記するつもりで何度も解くことで、十分合格ラインに届くということです。
二級建築士 学科試験の勉強方法:アプリの活用
今回、参考書の他に使ったのがアプリ「二級建築士 受験対策」です。
有料アプリですが、1000円買い切りですし、下手な参考書を買うよりも絶対に有益です。
(激推しですが、プロモーションではありません)
他の二級建築士アプリは、年ごとの過去問しかありませんが、このアプリは項目ごとに勉強ができます。
例えば、「計画:建築士」の分野に限って、一気に10問ほど過去問を比べることができるんです。
これは、試験全体を俯瞰するのにかなり役立ちます。5択の選択肢が毎年ほとんど同じだということに気がつきます。
このアプリをやりこむと、誤答の選択肢を覚えてしまうので、余裕で高得点を狙えるようになってきます。
私は、問題集で1項目勉強した後、このアプリを使って勉強した範囲の過去問をまとめてチェックしていました。
各科目の、より具体的な勉強方法(ノートの写し方・1日分の勉強方法)を、それぞれ説明していますので、興味がある方はぜひ読んでみて下さい。
【建築計画】二級建築士の勉強方法!独学で合格を狙う 【建築法規】二級建築士 独学で5点→23点とった勉強方法! 【構造力学】二級建築士を独学で勉強する方法!文系でも高得点が目指せる! 【施工】二級建築士を独学で勉強する方法!効率の良い暗記方法はコレだ!二級建築士・製図試験の勉強方法
ここからは、製図試験の勉強方法について解説しています。
学科は独学でも受かるという話はよく耳にしますが、製図はあまり聞きませんよね。
私も周りの人に「製図だけは学校に行った方が良い」と言われて、かなりビビっていました。
結果として、資格学校には行かずに受かったわけですが、私も添削制度を利用しました。資格学校にフルで通うよりも、お手頃に恩恵を享受できますので、興味のある方は、ぜひ読んでください。
まずは学科試験に受かってから。という方は、読み飛ばして下さいね。
- 製図試験:毎年9月の第二日曜日に行われます。
当日は11:00~16:00まで計5時間の試験になっています。 - 要求図面:平面図(1階・2階)・立面図・伏図・断面詳細図
二級建築士・製図試験の勉強方法:テキスト
二級建築士の製図試験で合格するため、まず買うべき本はこの3冊です!
①総合資格学院:2級建築士試験 設計製図テキスト
②総合資格学院:2級建築士試験 設計製図課題集
③市ヶ谷出版社:設計製図課題ドリル
①で製図の順番を確認→②で受験年の課題を練習→③で応用問題を解く
という風に使います。
①は、受験年の課題に合わせたものではなく、製図全般の書き方です。
木造・鉄筋コンクリート・鉄骨造の3種の製図について説明しているので、1冊持っておくと数年間使うことができます。
②は、受験年の課題に特化した教科書です。
課題が発表された後に発刊される教科書なので、独学者必須の教科書ですね。
本そのものというより、付録でついてくる「原寸大・オリジナル練習問題」が目的です。
A2サイズの解答例・解答用紙がついているので、実際の試験のイメージが沸きます。
設計製図課題集を購入すると、巻末に通信添削システムの案内が載っています。 これは、学院オリジナル問題を、製図試験専門講師に添削してもらえるサービスです。 有料ですが、資格学校に通うよりも、はるかに安価にプロに確認してもらえます。 コメントもしっかり書いてくれるので、かなりおすすめです。
③は、課題の応用問題を練習するのに使います。
正直、総合資格学院さんのオリジナル問題は易しく、解答例のレパートリーも少ないです。
独学で製図を突破するには、様々なパターンに慣れ、練習を重ねることが必要になります。
同じ課題を何度もやるより、新しい問題にも対応できる力が必要だと感じたので、追加購入しました。
二級建築士・製図試験の勉強方法:スケジュール
学科試験に合格してから、製図の勉強を始めます。
大きく分けると、7月は製図の流れ・構成要素の確認、8月は本格的な練習です。
本番で求められる図面は5種類1セットですが、できるだけ毎日、1セット製図します。
私は結果として2か月間で40セット以上、製図をしましたが、それでも本番は緊張しました。
学科試験の自己採点で合格が分かり次第、次の日には製図道具をすべて揃えます。
7月中は、情報収集と何も見ずに製図できる技術を手に入れます。
8月中は、時間内に1セット完成させる力と、エスキスの練習を繰り返します。
二級建築士・製図試験の勉強方法
ここでは、全体の大まかな勉強方法を説明します。
製図試験のより具体的な勉強方法は、別の記事でまとめておくので、そちらを参照ください。
製図試験に必要な能力は、大きく3つあります。
- 正確な製図
- 要求通りのエスキス
- 完璧な時間管理
二級建築士 製図試験の勉強方法:正確な製図
製図試験は、減点法で点数がつけられます。
つまり、「間違いがなければ落ちない」という事。独自性や、目新しさはいりません。
「間違えない」ために、必要なのが、図面上の情報漏れをなくすこと。
まずは①設計製図テキストで手順を確認しながら、一通り図面をトレースしましょう。
目的は、製図の手順を覚え、情報漏れに気付けるようになることです。
7月中の目標は、時間内に何も見ずに1セットの図面を書き上げられるようになることです。
二級建築士 製図試験の勉強方法:要求通りのエスキス
次にエスキスをできるようになりましょう。
駐車場の位置や大きさ、階段の位置、敷地面積など、自分で決められるようになります。
ここで㎡→Pに置き換える概念を学びます。
ゾーニング→詳細エスキスができるようになるまで、繰り返し問題を解きましょう。
8月中旬までには、総合資格学院の課題は完璧にできるようにしておきましょう。
二級建築士 製図試験の勉強方法:完璧な時間管理
試験当日は5分単位でやることが決まっています。
時間との戦いなので、すべての手順を体で覚える必要があります。
あれこれ考えている暇はありませんし、後回しにする時間もありません。
「時間感覚」を身につける為に、トレースの段階から時間を計る癖をつけましょう。
もちろん、エスキスや問題を読む時間も、常に時間を計りましょう。
二級建築士に独学で合格!勉強方法まとめ
この記事では、二級建築士を独学で半年間、勉強する方法についてまとめました。
二級建築士は、勉強方法次第で合格が勝ち取れる資格です。
毎日勉強を続けるのは大変ですが、1週間に1度は全く勉強しない日を作るなどして、気分転換しながら続けてみてください。勉強でつまづいてしまった方は、科目ごとにより詳しい勉強方法をご紹介していますので、参考にしてください。
私は元々、文系を専攻していましたが、それでも半年の勉強で二級建築士に合格しました。
建築学生のみなさんなら、必ず合格できるはずです。
二級建築士の学科試験の各科目、製図試験の具体的な勉強方法も、それぞれまとめていますので、興味がある方はぜひそちらも読んでみて下さい。
勉強は裏切りません。一緒に合格を勝ち取りましょう!