独学でも二級建築士の製図に合格できる!
この記事は、独学で二級建築士の製図試験に合格する方法をまとめました。
学科試験は独学でも合格できるという話はよく聞きますが、製図は難しいとよく言われませんか?
実際、私も周りに「製図だけは資格学校に行け」と言われ、内心とても焦りました。
結果として、資格学校には行かずに受かったわけですが、私は添削制度を利用しました。
資格学校に通うよりも、お手頃に恩恵を享受できますので、興味のある方は、ぜひ読んでください。
二級建築士【製図試験】の概要
二級建築士の製図試験は、5時間にも及ぶ大変な試験です。試験が始まってしまえば、昼食休憩もなく、トイレ休憩も惜しい程。
- 製図試験:毎年9月の第二日曜日に行われます。
当日は11:00~16:00まで計5時間の試験になっています。 - 要求図面:平面図(1階・2階)・立面図・伏図・断面詳細図
当日配られるのは、問題用紙1枚、エスキス用紙1枚、A2サイズ解答用紙1枚です。
年によって課題が変わり、木造の年と、コンクリート造の年が交互に行われます。
独学で二級建築士【製図試験】に合格するポイント
製図試験を独学で攻略するポイントは、大きく3つあります。
- 正確な製図
- 要求通りのエスキス
- 完璧な時間管理
製図を攻略するポイント1: 正確な製図
「製図試験の採点方法は、減点方式だ」という話を聞いたことはありませんか?
製図試験は、1つの答えがある試験ではないので、一定の採点基準が設けられています。
例えば、内装を1つ書き忘れたなどの小さなミスによって、少しずつ減点されていくんだとか。
「間違い」にもレベルがあり、例えば、延べ床面積や指定条件の欠測のような大きな間違いは、一発不合格になる可能性があるそうです。
つまり、「問題で指定された条件」を、「正確に製図する」のみで良く、突飛な発想はいらないという事です。
2か月間の練習では、書き忘れや書き間違いのない、正確な図面を書く練習をしていきましょう。
製図を攻略するポイント2: 要求通りのエスキス
一発不合格になるような大きな間違いを防ぐためには、一番最初の段階でエスキスをしっかりやる必要があります。
逆に言うと、最初のエスキスで計算間違いをすると、後半で修正するのは難しいかもしれません。
ポイントは、問題文に書いてある要求をすべて満たすエスキスをすること。
必要だと書かれている部屋や、什器、位置関係まで、書き忘れや計算間違いがないようにします。
要求をすべて満たすことが、第一前提です。
製図を攻略するポイント3: 完璧な時間管理
学科試験は時間がかなり余った方も多いでしょう。
一方で、製図試験は5時間にも及ぶ試験ですが、常に時間はギリギリです。
参考書を購入すると、5時間の試験をどのように時間配分するか、例が載っています。
この時間配分を見ると、どの図面を何分で書くのか、目安がわかるはずです。
作図時間だけではなく、エスキスや下書き、ダブルチェックなど、5分単位で進む時間配分を覚えて、試験中も焦らず、すべての行程をこなせるようになりましょう
二級建築士【製図】独学に必要な参考書
二級建築士の製図試験で合格するため、まず買うべき本はこの3冊です!
①総合資格学院:2級建築士試験 設計製図テキスト
②総合資格学院:2級建築士試験 設計製図課題集
③市ヶ谷出版社:設計製図課題ドリル
①で製図の順番を確認→②で受験年の課題を練習→③で応用問題を解く
という風に使います。
①は、受験年の課題に合わせたものではなく、製図全般の書き方です。
木造・鉄筋コンクリート・鉄骨造の3種の製図について説明しているので、1冊持っておくと数年間使うことができます。
②は、受験年の課題に特化した教科書です。
課題が発表された後に発刊されるので、その年のポイントや、問題が載っています。付録でついてくる「原寸大・オリジナル練習問題」は、A2サイズの解答例・解答用紙がついているので、実際の試験のイメージが沸きます。
設計製図課題集を購入すると、巻末に通信添削システムの案内が載っています。 これは、学院オリジナル問題を、製図試験専門講師に添削してもらえるサービスです。 有料ですが、資格学校に通うよりも、はるかに安価にプロに確認してもらえます。 コメントもしっかり書いてくれるので、かなりおすすめです。
③は、課題の応用問題を練習するのに使います。
正直、総合資格学院さんのオリジナル問題は易しく、解答例のレパートリーも少ないです。
独学で製図を突破するには、様々なパターンに慣れ、練習を重ねることが必要になります。
同じ課題を何度もやるより、新しい問題にも対応できる力が必要だと感じたので、追加購入しました。
参考書についてまとめた記事はこちら
【2023最新】二級建築士に独学で受かるために買うべき参考書6選二級建築士【製図】独学スケジュール
★・・・学科試験・製図試験
黄色・・・トレース
緑・・・・エスキス
7月は、まずはトレースを徹底的にします。図面に必要な要素、手順を暗記し、手本を見ながらでも時間内に図面を完成させられるようになります。
8月は、問題文を読んで、図面に落とし込む練習をします。エスキス→5図面完成までできるようになります。
二級建築士の製図試験を独学で勉強する方法
先述した3つの能力を身に着けるための、具体的な勉強方法をご紹介します。
二級建築士【製図】の肝は時間配分!独学は常に時間を計ろう!
試験当日は5分刻みで時間が決まっています。
資格学校によって当日の時間配分は異なっていますが、私は「市ヶ谷出版」さんの時間配分を使う事にしました。
①一つの作業にかかる時間を体感で覚える
②どの順番で何をするかを覚える
7月に勉強を始めるときは、図面の書き方がわからないところから始めると思いますが、どんな状態であっても時間を計りましょう。
例えトレースに2時間かかっても、毎日、時間は計りましょう。
まずはトレース!【二級建築士・製図を独学で受かるために】
①総合資格学院:2級建築士試験 設計製図テキスト
②総合資格学院:2級建築士試験 設計製図課題集
③すべての製図道具
3点をそろえた状態で、勉強を開始します。
時計をセットしたら、まずは平面図の書き方を勉強しましょう。
②設計製図課題集を見ながら、道路境界線→中心線・通し柱→外壁…と、一通り1,2階の平面図を書いてみましょう。
立面図、伏せ図、矩計図も同じように一通りトレースしてみてください。
最初は本を見ながら手順を覚えますが、慣れてきたら写真のようにメモだけを見て書けるようにします。
最終的には、7月中に、何も見ず、時間内に要求図面をすべて完成できるようになりましょう。
独学で二級建築士の製図に合格できる【エスキス練習方法】
次にエスキスの練習をします。
②総合資格学院:2級建築士試験 設計製図課題集に付属されている原寸大オリジナル練習問題5課題を、A3で各3枚ずつ印刷してください。
準備ができたら、もちろん時間を計りながら、エスキスを始めます。
蛍光ペンで色分けをしながら問題文を読み進め、㎡をP2に変更します。
二級建築士の製図、仕上げは【応用問題で練習】あるのみ!
エスキス→下書き→製図の流れを理解できたら、あとは応用問題で練習あるのみです。
総合資格学院のオリジナル問題は、比較的簡単な問題が多いです。
トレースを何度もしているので、内容を暗記してしまうかもしれません。
エスキスは新しい問題を見た時の反射神経が必要なので、「市ヶ谷出版」の参考書を使って本番慣れしていきます。
市ヶ谷出版には10課題が掲載されていますが、難易度が高いです。
また、解答が総合資格学院とはかなり違っているので、戸惑ってしまうかもしれません。
ですが、市ヶ谷出版の問題を、総合資格学院の解答方法で答える練習をしてみてください。
総合資格学院の解答方法の方が、シンプルで明確です。
本番も、総合資格学院の解答方法を完璧で再現できれば、合格できます。
二級建築士の製図試験に独学で合格する方法まとめ
ここまで、独学で二級建築士の製図試験に合格する方法をまとめました。
独学で製図試験を受ける場合、一番不安なのは「勉強方法が合っているかわからない」事でしょう。
そのためには、自分でダブルチェックをする目が必要です。
毎日1式の製図を練習し、必ず書き忘れや書き間違いを赤ペンでチェックしましょう。
面積や高さなど、絶対に間違えられない条件を満たしているかも、確認してみましょう。
二級建築士【製図試験】で大切なこと
- 正確な製図
- 要求通りのエスキス
- 完璧な時間管理
最初に述べた、この3点を練習で身につけることが大切です。
練習が、自信を与えてくれるはず。
頑張って、独学でも製図試験を突破しましょうね!