文系でも二級建築士になれるのか?
この記事は、文系出身者が二級建築士に合格する方法についてまとめました。
文系でも二級建築士になれる!
こんにちは、ラーベンです。
この記事は、自分の経験に基づいて、文系出身者が二級建築士を目指した方法についてまとめています。
個人的な意見を含むので、参考程度に読んでいただけると幸いです。
私は、高校から大学まで語学に力を入れており、完全な文系として育ちました。
語学を活かして就職し、文系社会人として生きていましたが、様々な縁もあり、建築系に進む運びになりました。
もちろん、ずっと文系だった私には、二級建築士の受験資格も、物理や科学の知識もありません。
そこで、社会人をやりながら通信制大学に通い、大学を卒業した年、無事に二級建築士試験に1発ストレート合格できました。
学科・製図ともに、資格学校には通わず、市販の本のみで勉強した完全独学です。
この経験則から言うと、受験資格を手に入れるまでは長かった。しかし、試験自体は、文系理系を理由にするほど難しくはない、という事です。
文系が二級建築士を目指すには、受験資格が必要
文系から二級建築士を目指す場合、いくつか越えなければならない壁があります。
- 受験資格を得る
- 二級建築士試験学科試験に合格する
- 二級建築士製図試験に合格する
- 二級建築士に登録する
二級建築士の受験資格を得る
二級建築士の試験を受けるためには、まず受験資格を取得しなければなりません。
- 大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校、職業訓練校等において、指定科目を修めて卒業した者
- 高等学校又は中等教育学校において、指定科目を修めて卒業
- 建築設備士
- 建築実務経験7年以上
実務経験や、建築設備士の資格を持っていない文系の方は、学校で「指定科目」を修了する必要が出てきます。
「指定科目」を履修できる学校は、学校HPにその旨が書かれていますので、卒業時に受験資格が得られる事を確認しましょう。
既に文系の大学を卒業している方は、通信制大学に編入学することで、最短2年で、受験資格を得ることができます。
実務経験を使って二級建築士試験を受験する場合は、「実務経歴書」と「実務経歴証明書」が必要になります。
実務経歴証明書は、勤務先等に「証明者」を立ててもらい、経歴を証明してもらう必要があります。
詳しくは公益財団法人 建築技術教育普及センターにて確認ください。
二級建築士試験に合格する
受験資格を手に入れた後は、年に1回しかない二級建築士試験に合格する必要があります。
- 学科試験:毎年7月の第一日曜日。
当日は2科目3時間ずつ、計4科目6時間の試験になっています。 - 問題の形式:1科目25問×4科目合計100問です。5択のマークシート方式
- 製図試験:毎年9月の第二日曜日。当日は5時間の試験です。
文系でも二級建築士試験に合格できるのか?と不安な方も多いでしょう。
試験で使う計算問題は、中学生レベルの簡単なものばかりです。あとは文章問題が多く、暗記や問題形式への慣れが必要です。
製図試験は、課題発表が試験の3か月前で、だれにとっても時間がない条件は同じです。時間管理をしっかり行えば、充分、文系にも勝機はあります。
二級建築士に登録する
無事に学科試験・製図試験に合格した後は、各都道府県の建築士会に登録を申請する必要があります。
登録は、受験資格の種類によって、実務経験の必要有無が決まっています。
- 大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校、職業訓練校等において、指定科目を修めて卒業した者→実務経験0年で登録可能
- 高等学校又は中等教育学校において、指定科目を修めて卒業→実務経験2年以上
- 建築設備士→実務経験0年で登録可能
- 建築実務経験7年以上(試験受験時点)
大学等で指定の科目を履修した場合、二級建築士試験に合格してすぐに登録を申請できます。
文系が二級建築士を目指す場合の注意点
文系就職→建築業界に入り、感じた事を書いていきたいと思います。
給料を追うか?夢を追うか?
厳しい現実ですが、建築業界は、残業も多く、一部を除いて全体的に給料があまり高くないので、文系の仕事で稼げているなら、転職はよく考えてほしいという事です。
知り合いの設計事務所は、泊まり込みで残業していたという話も聞きますし、自分も時間外労働で必死に図面を書き上げました。どの業種にも言えることではありますが、後期の厳守は必須ですし、設計以外の事務業務に時間を取られる事もあります。
ただ、今まで残業の上限がなかった建築業ですが、2024年4月から、建築業界の働き方改革が始まり、残業時間の上限や、週休2日の推進が始まります。建築業界が今後、変わっていく可能性はあります。そしてやはり、文系にとって、手に職があるというのは、安心感がありますよね。
夢のある業界ですし、ぜひ経験者の話をよく聞いて、選択してほしいと願っています。
コミュニケーション能力はどこに行っても必要になる
「文系」というと、「コミュニケーション能力が高い」「プレゼン能力が高い」などの固定概念が根強く、息苦しいと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
(私のような)それほどコミュニケーションを得意としていない方は、理系に対する憧れのようなものもあるのではないでしょうか。
実際、建築業界は人と関わる機会が、結構あります。そもそも建築は1人で完結できませんので、現場の職人さんや施工管理者、施主、設備設計、構造設計、役所対応など、多くの方と関わりがあります。
文系だから理系だから、というわけではなく、コミュニケーション能力は、どこででも求められるものですね。
文系が二級建築士になるための勉強方法
ここでは、二級建築士試験に特化した話を書きます。
二級建築士試験を独学で頑張りたいという方は、具体的な勉強方法を書いたこの記事をご覧ください。
【最初に読みたい】二級建築士を独学で受ける人へ!半年間の勉強方法二級建築士の学科試験は文系でも合格可能
二級建築士の合格率は、学科で40%前後、製図で50%前後、結果として20%前後まで絞られます。
100人受ければ20人しか残らない計算になりますので、難易度が低いとは言えません。
しかし、何度も言いますが、二級建築士の学科試験は、それほど難しくありません。
ではなぜ、合格率が低いのか?
それは、出題範囲が広いからです。
一つ一つの問題の難易度は高くないものの、数字が細かく、暗記の範囲が広い。
ラッキーな事に、試験当日は時間が十分にあるので、計算が早い必要はありません。
それを踏まえて、文系が二級建築士試験に合格するためにできること。それは「勉強に時間を割く」事だけでしょう。
仕事や学校で疲れていても、友達の誘いを断ってでも、勉強する時間をつくる強い意志と習慣だけが必要です。
文系におすすめ!二級建築士【学科試験】の勉強方法
二級建築士の学科試験は、毎年7月に行われます。
文系が合格するためには、その年の1月に勉強を始めたいですね。まだ大学を卒業していないという方も、卒業制作を進めながら、少しでも勉強しておくとイメージが掴めます。
各学科おすすめの勉強方法↓↓↓
【建築計画】二級建築士の勉強方法!独学で合格を狙う 【建築法規】二級建築士 独学で5点→23点とった勉強方法! 【構造力学】二級建築士を独学で勉強する方法!文系でも高得点が目指せる! 【施工】二級建築士を独学で勉強する方法!効率の良い暗記方法はコレだ!文系が独学で二級建築士の製図試験に合格する方法
製図試験も、独学で合格が可能です。
私は、市販の本を3冊使い、試験までに40枚以上の図面を練習しました。加えて、本に紹介されていた添削サービスを利用し、プロの先生に図面の添削をお願いしました。
市販の設計製図課題集を購入すると、巻末に通信添削システムの案内が載っています。 これは、製図試験専門講師に添削してもらえるサービスです。 有料ですが、資格学校に通うよりも、はるかに安価にプロに確認してもらえます。 コメントもしっかり書いてくれるので、かなりおすすめです。
製図もまた、難しい計算は必要ありません。練習量が結果に表れますので、ひたすら練習あるのみです。
文系でも二級建築士になれる?まとめ
ここまで、文系は二級建築士に慣れるのか?について書いてきました。
まとめると、私が皆さんにお伝えしたいのは3点です。
・受験資格取得までの長期戦を覚悟せよ
・二級建築士試験に”理系”の能力は必要ない
・建築業界でどの職種に就きたいのかよく検討するべし
実際、建築業界には文理転換した方はたくさんいらっしゃいます。
海外の方と働く機会もあるので、文系であった背景は無駄にはならないはずです。
社会人になってから建築士を目指す事も可能ですので、ぜひ挑戦してみてくださいね。